子供たちのためのバス乗車体験も行う福島観光自動車――HRハッカーを導入で7名の採用に成功
福島観光自動車は創業から60年、福島県でも老舗のバス運行会社です。観光バスや送迎バスの運行、旅行業、自動車整備など幅広い事業を展開し、長きに渡り地域の交通に貢献されてきました。
また、社会貢献活動にも力を入れており、コロナ禍で子供達を対象としたバス乗車体験を実施、現在まで継続されています。この企画は子供たちだけでなく、運転手にとってもやりがいを感じる企画として、社内でも好評だとか。そんな企画の発起人が、今回、取材をさせていただく国分典明(こくぶん のりあき)さんです。
国分さんは総務をはじめとした業務全般を統括しながら、自社の採用も兼務。ドライバー不足が叫ばれる業界での採用活動は、応募が少なく苦戦していたと言います。しかし、HRハッカーを導入してからは、応募が急増。いったい何が結果に結びついたのでしょうか。
福島観光自動車の事業内容や取り組みとあわせて、同社の採用活動を紐解きます。
▼抱えていた課題
・バスの運転手の深刻な人手不足
・ハローワークや求人サイトに募集を出しても応募が少ない
・応募があっても採用要件に合わない
▼導入後の効果・成果
・バス運転手4名、事務職3名の採用に成功
・導入直後から問い合わせが急増、年間で予想を上回る問い合わせが来るようになった
・応募の問い合わせが増加したことで、職場の雰囲気も活性化された
福島観光自動車株式会社 常務執行役員 国分典明(こくぶん のりあき)さん
郡山市出身。高校卒業後、2003年に福島観光自動車株式会社に入社。約20年間、営業専門職として従事し、現在は営業のみならず総務など業務全般を統括。創業60年の歴史と伝統を守りつつ、新しいことにもチャレンジすることを大切にする。
創業60年の老舗企業、特徴は柔軟にチャレンジできること
ーー本日はよろしくお願いいたします。まずは、国分さんのことからお伺いします。
福島観光自動車に入社して21年目になりました。以前は営業を担当していて、お客様と打ち合わせから集金まで担っていましたが、現在は総務の責任者をしています。社内の一般事務や経理関係が中心ですね。元々、営業をしていたので総務関係には詳しくなかったのですが、一から勉強しながら取り組んできました。そこに並行して、採用も担当しています。
ーー会社の事業内容についても教えてください。
弊社のメイン事業は貸切バスの運行です。それ以外にも旅行業を行っており、社員旅行などのグループ旅行の手配も手がけています。旅行代理店として旅行業の登録をしてあるので、旅行斡旋業務もやっていますね。バスだけでなくホテルの手配など、ひとつのご旅行が完成できるところまで行っています。
今年でちょうど創業60年目になりました。県内でも業界としては数えるほどの古株企業ですね。
ーー事業の特徴や強みは何でしょうか。
ただバスを手配するだけでなく、お客様に親身になって旅行コースを考えられるのが強みだと考えています。お客様の要望をしっかり取り入れてコースに入れ込むことができるので、満足度が高く、そのままリピーターになっていただけるのが私たちの特徴ですね。
また働く場所としての特徴は、チャレンジできる社風があるところです。老舗企業ともなると昔の体質が残り、若い人の意見がなかなか通らないことがあるかもしれません。しかし弊社は、若手の社員がチャレンジしたいことを親身になって考えています。そんなフラットな社風が良いところですね。
この業界でいまだに多いのは、年功序列が強くて若手の肩身が狭い職場環境です。弊社の場合はそんな雰囲気はなく、新しい社員が入ってもそれなりに意見も言えます。
また業界的にバスの運転手がかなり深刻な人手不足になっているため、即戦力として使いたい会社が多いですが、弊社の場合はじっくり教育を行っています。新入社員には1個ずつステップを上がっていくような形で、仕事に取り組んでもらえるようにしています。
震災ではじめたバス乗車体験、社会貢献企画への想い
ーー人手不足という話がありましたが、その問題を解消するために何か取り組まれていますか。
直接的な採用への施策ではないですが、社会貢献をしようということで活動を続けています。例えば子供向けのバス乗車体験を実施したり、地域のゴミ拾い活動をやってみたり。そういう活動を周囲の方が見たら、会社が子供達の将来や地域のことを考えていることが伝わるのではないかと考えています。実際に社会貢献活動を面接にいらっしゃった方がWebで知ってくださって、素敵ですねって言葉もいただきました。一定の成果には繋がったのかなと思っています。
ーーどういったきっかけでその取り組みを始めようと思ったのでしょう。
バス乗車体験に関しては、東日本大震災がきっかけです。震災が起きて、子供たちが福島県内で外出ができなくなった時期がありました。放射能の関係で、保育園や幼稚園、小学校も行動が制限され、遠足が中止になってしまって。子供たちがバスに乗る機会が無くなってしまったので、無料で弊社からバスを出して、乗る機会を作ってあげようと考えたのが始まりでした。そこからずっと続いている取り組みです。
地元の園児たちはみんな楽しみにしてくれて、「大型バスが来た!」と言っていつも喜んでくれるんですよ。運転手も、子供たちが喜んでくれることで日々の仕事のモチベーションアップにも繋がっています。経費はかかりますが、お互いに嬉しい気持ちになれるメリットは大きいです。
実はこの企画は私が始めたのですが、すごく思い入れがあって、手放したくない企画なんですよね。子供たちのため、会社のためにしていることですが、なにより私自身が、喜んでいる子供たちを見るのを楽しみにしているところがあります。
ーー震災時は、当然会社も厳しい状況だったと思います。そこであえて企画を実施したことがすごいですね。企画を思いついた当時の想いや状況をもう少しお聞かせてください。
震災のときは弊社のバスも稼働できず、車庫にずっとバスが眠っている状況でした。なおかつ保育園からも、遠足に行きたいけれど行けない、子供たちが屋内でしか遊べないのでかわいそうという話は聞いていました。私たちと保育園で、お互いに想いが合致していたんです。
企画を実施したら、必ずお客様からアンケートをもらうようにしています。これまで保育園の先生からアンケートをもらったのですが、子供たちが喜んでいたことや、バスの運転手さんになりたいと話していたこと、ずっと乗車体験の話題で盛り上がっていたことなどが分かりました。
それを社内で共有すると、たくさんの良い効果があることを分かってもらえました。アンケートも含めて、想いをしっかり共有できたのが良かった点だと思っています。
HRハッカー導入で問い合わせ急増。「正直、同業他社には使ってもらいたくないくらい(笑)」
――福島観光自動車の選考において、国分さんが重要視していることは何でしょうか。
採用判断をする上で、重要視しているのは人間性です。運転がうまいかどうかの前に世ずつであるかどうかが重要だと思います。
ただ一方的に審査するのではなく、弊社のこともしっかり知っていただけるよう、給料や社内環境、福利厚生までしっかりと説明するようにしています。ご納得いただいたうえで、次の選考に進んでもらいたいので。
ーー未経験の方からの応募もありますか。
未経験でも全然問題ありません。また、時間の制限があってもOKです。例えば子供が小さくて残業ができない等、時間に制限のある方からの応募も多いと感じています。ですが、それが条件で採用しないと決めつけるわけではありません。
直近で採用したドライバーが1人いまして、その方もHRハッカーから問い合わせがきっかけでした。
ただその方は、遠方に住んでいるので通勤が大変になってしまうという問題があったんです。心配だったので面接のときにも大丈夫か確認をして、「その住所だったら近くに他のバス会社もあるのではないか」という話もしましたが、それでも弊社が良いと言っていただけて入社となりました。
そこまでして入社したいと言ってくれた理由は、歴史があって業界的にも認められている会社だからとのことです。非常にうれしく思いました。
ーーHRハッカー導入前はどんなふうに採用に取り組まれていましたか。
ハローワークに頼っていました。あとはたまに地元の求人情報誌に掲載したり。特にバスの運転手が深刻な人手不足に陥っているので、ドライバー専門の求人サイトにも出稿してみたのですが反応が芳しくなかったです。全体的に応募件数も少なかったですし、マッチするような人材からの応募はなかなか来なかったです。
ーーそんななかでHRハッカーを導入されました。導入のきっかけは何だったのでしょう。
社内で、今までとは違った形での求人募集をしようという話が出ていた頃でした。その頃、タイミングよく福島民報さんから提案があって、1回チャレンジしてみようということで始まったんです。
私たちも例にもれずバスの運転手は人手不足だったので、導入を機に良いご縁があればいいなと思っていたのですが、実際に使い始めて驚きましたよ。求人を出したらすぐに問い合わせが来るようになったので。
ーー効果が出るのが早いですね。実際に何名の採用に結びつきましたか。
事務職が3名と、ドライバーも4名採用できました。特にびっくりしたのは応募者の年齢層で、男女に関わらず本当に幅広い方から申し込みが来たことですね。その後も問い合わせは多く、驚いているのと同時に大変ありがたいことだと思っています。
ーー具体的な採用に繋がったこと以外にも、導入してよかったことはありますか。
採用支援の経験が豊富なインビジョンに、採用の相談ができるのがありがたいです。革新的なアドバイスをポンっといただけます。
あとは採用が活発になって、現職の社員の意識にも良い影響がありました。応募の問い合わせがくると、新しい人が来るかもしれないという期待感が高まるようで、職場が活性化される感覚があります。そういう変化を見ると、私も採用担当として頑張らなきゃという良い緊張感を保つことができるので、お互いにいい影響があると感じています。
ーーHRハッカーはどういった方に、おすすめしたくなりますか。
同業他社には知ってもらいたくないのが正直なところです(笑)。それは冗談ですが、お付き合いがある企業には、業種問わず相談があればぜひ紹介したいと思っています。
ーーありがとうございます。最後に御社の今後の展望をお聞きしたいです。
弊社は他者と競争するというより、差別化して独自のサービスに力を入れていく方針をとっています。採用においては職種の仕事内容や職場環境について、しっかりと中身を伝えていきたいですね。また企画に関しては、バス乗車体験をした子供が、例えば15年後に運転手になってくれたり。そんなことがいつか起きてほしいなと願っています。
取材協力
福島観光自動車株式会社
常務執行役員 国分典明(こくぶん のりあき)さん
HP:https://fukushimakanko.co.jp/
採用情報:https://fukushimakanko.co.jp/?page_id=14
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