企業が採用広報にnoteを活用するメリットや成功ポイントを解説
「採用広報にnoteを使うといいって聞いたけど何から始めたらいいのか分からない…」
「noteで何を発信していったらいいんだろう…」
このような悩みを抱える採用広報担当の方は多いのではないでしょうか。この記事では、noteで何ができるのかというところから、企業が採用広報にnoteを活用するメリット、どのような内容をnoteで発信していけばよいのかなどについて解説。
実際にnoteを活用している企業の事例までしっかりとご紹介します!
noteとは
noteは、写真や文章、動画などのコンテンツを投稿できるシンプルなデザインのメディアプラットフォームです。基本は無料で使うことが可能で、有料コンテンツを作成・販売することもできます。
また、企業や自治体も法人向けサービスのnote proを活用し、会社の公式ブログや採用広報として運用しているところが増えました。個人から法人まで幅広い層に使われています。
noteはユーザーが4000万人を突破し、2023年末時点で法人アカウントも累計3万件以上開設されています。
▼note
「note」でできること
「note」では以下のことができます。
テキスト投稿(記事投稿)
見出し、太字、引用なども見やすく表示する設定ができます。
画像投稿
写真だけの投稿も可能です。ここで投稿した写真を、他のnoteユーザーに使ってもらえる設定もできます。
動画投稿
YouTubeやvimeoの映像を投稿できます。動画を投稿すると目を引きやすく、より投稿が際立ちます。
音声投稿
ラジオ番組に出たい、ラジオパーソナリティーをやってみたい!という方にはおすすめの機能です。文章を書くよりも話す方が得意な人に向いています。(音声ファイルはMP3またはAAC。最大100MBまでが上限です。)
つぶやき
X(旧Twitter)とほぼ同じ機能で、写真付き(任意)140文字以内の軽い投稿ができます。
「note pro」でできること
月額80,000円(年額880,000円)でオウンドメディアが簡単につくれるnoteの法人向け有料サービス「note pro」では以下のことができます。
独自ドメイン
自社の独自ドメインでの運用できます。
メニューのカスタマイズ
会社概要、お客様の声などオリジナルメニューを設定できます。
ロゴ・テーマカラーの変更
通常noteのデザインカラーはグリーンのみですが、proでは変更できるので、自社に合ったカラーで一貫したブランド形成ができます。
note pro アナリティクス β版
Googleアナリティクスでは分析不可能なスキ率や読了率を分析できます。
メンバー権限管理機能
複数人でnoteを運営する際の記事編集に携わるメンバーの権限設定ができます。
note AIアシスタント(β)使い放題
タイトル提案・構成案の作成・内容のレビューなどの機能が利用できます。
採用広報にnoteを活用するメリット
企業が採用広報にnoteを活用するメリットには以下のものが挙げられます。
- コンテンツ運用をすぐに始められる
- コンテンツを見てもらいやすく潜在層にリーチしやすい
ひとつずつ見ていきましょう。
コンテンツ運用をすぐに始められる
noteはメールアドレスさえあればすぐにアカウントを作成してコンテンツの運用を始められます。
記事のフォーマットもシンプルなので、難しいHTMLやCSSの知識も不要。メールの文章を書くように記事をつくることができます。
法人向けサービスのnote proであれば、自社の独自ドメインを取得したりテーマカラーを変更したりシンプルな中でも柔軟に対応できるようになるため、企業のオウンドメディアとして運用していくこともできます。
コンテンツを見てもらいやすく潜在層にリーチしやすい
noteは月間ユーザー数が4000万人ということもあって、とにかく利用者が多く勢いのあるプラットフォームです。また、SEOにも強く、検索エンジンの検索結果では上位にnoteの記事が表示されていることも珍しくありません。
また、noteにはSNSのようなハッシュタグがあるので、ハッシュタグからさまざまなコンテンツに飛べるため、関連ハッシュタグつながりで見てもらいやすいことも潜在層に届きやすい理由です。
さらにnoteは拡散に強いSNSとも相性がいいプラットフォームなので、SNSから多くの人にコンテンツを届けられるでしょう。多くの人の目に触れるということは、今はまだ転職を考えていない人たちにも「なんかこの企業いいな」と思ってもらえる機会が増えます。
noteとTwitterの掛け合わせによって、ますます潜在層にリーチしやすいといえます。
【noteで発信するべき内容】求職者の入社前後の採用ギャップをなくそう
求職者に対して、自社で働くイメージを持ってもらうために行う採用広報。しかし、入社したあとに「イメージと違った…」と悪いギャップを感じさせてしまっては、離職率が上がり、効果的な採用広報ができているとは言えません。
採用ギャップをなくすために必要な発信は「飾らないありのまま」を伝えること。そんな自社の正直な姿を伝えられるコンテンツとして、まずは取り組みやすい以下の4つから始めてみましょう。
- 会社の誕生ストーリーやビジョン、社長の想い
- 仕事内容の紹介
- 社員インタビュー
- 新人レポート
それぞれ詳しく解説し、イメージに近いサンプル記事もご紹介します。
①会社の誕生ストーリーやビジョン、社長の想い
まずは、その企業のトップがなぜこの会社を起こしたのか、この会社で何をしていきたいのかなどの「ストーリー」や「想い」を発信していきましょう。
価値観が多様化している現在、ひとつの会社に依存せず自分で仕事をしたり副業をしたりと働き方の選択肢が増えています。「会社の中でどう自分の力を発揮するか」という会社への帰属意識よりも、「自分が何のために何を成し遂げたくて仕事をするのか」といった自身のビジョンに基づいた職場選びが重視されるようになってきました。
そのため、その企業が目指すところと自身のビジョンが合っているのか、自身の成し遂げたいことが達成できそうな会社なのかを判断するためにも社長の思いや会社の誕生ストーリーなどの発信をすることが効果的です。
たとえば、以下のような記事です。
②仕事内容の紹介
採用したい職種の仕事内容について詳しい情報発信をしていくと、具体的に入社後どのような仕事をするのかのイメージがつきやすくなります。
職種自体の認知度が低かったり、他社との仕事の仕方に違いがあったりさまざまなケースで「思ったのと違った…」となることが想像されます。
特にBtoB向けのサービスを展開する企業だと、消費者側である求職者側からの認知度が低いことも多いです。より具体的にイメージしやすいようにサービスの紹介をしていきましょう。
仕事内容を紹介するときは、未経験の人でもわかるような「具体性」や「詳しさ」を意識するとよいです。
たとえば、note記事ではないですが以下のように仕事の1日の流れで書くとイメージしやすくなります。
③社員インタビュー
自社で働いている社員に対して声を聞くのは採用広報の基本です。
社員インタビューは実際にその会社の中で働いている人の声なので、具体的にどんな働き方や仕事をしているのかがよりイメージしやすくなります。社員インタビューでもっとも大切なことは、「こんな人と一緒に働いてみたい」と思ってもらえるかどうかです。仕事上の役割や成果、その人自身の性格、自社サービスやプロダクトにかける考え方など、その人の何を掘り下げるといいのかをしっかり考えて記事にしましょう。
また、写真も適当に撮らずしっかりとアイキャッチ画像を作るなど、ビジュアル面での工夫も重要です。その人の印象が良くなるよう、素敵な笑顔の写真をトップ画像に持ってくるなど、細かく設計しましょう。
④新入社員レポート
自社で働く新入社員に「この職場で働いてみてどうか」、「いま現在どのような仕事をしているのか」というレポートを書いてもらうことも採用広報記事に向いています。
特に入社時の所信表明のような「入社エントリー」を記事化するようにすると採用の振り返りにもなり効果的です。「なぜ入社したのか」が自分の言葉で綴られている記事は、候補者にもっとも身近に感じられる感情です。「自分もこの会社に入社したら、このような感じなのかな」と想像しやすくなるでしょう。
たとえば、以下のような記事が新入社員レポートにあたります。
タイトルは、「~してみた」というふうに書かれていると親近感が増して、「どんな感じなんだろう…」と興味を惹きやすいです。シンプルに「新人レポート」とタイトルに入れてもよいでしょう。
noteでの採用広報を成功させるポイント4つ
noteでの採用広報を成功させるポイントを4つ紹介します。
- note採用で相性がいい職種とターゲット層を知る
- noteを運用する目的を忘れない
- 自分事化してもらうためにタイトルは「ひらく」
- 失敗を書くことで信頼を得る
ひとつずつ詳しく見ていきますね。
1.note採用で相性がいい職種とターゲット層を知る
note経由の採用で相性がいい職種とターゲット層を把握しておくと作戦を練りやすいです。もし、募集したい職種とターゲット層がnoteと相性が良くなければ一生懸命に採用広報活動をしても本末転倒です。
▼noteで採用しやすいと考えられる職種の一例
- ライター、編集者
- デザイナー
- カメラマン
- マーケティングPR職
- コンサルティング営業
- 動画制作クリエイター
- ファイナンシャルプランナー
- エンジニア
- プログラマー
これらの職種が採用しやすい理由は、Webをよく活用する職種ということと、仕事に関連したアウトプットを積極的にする人が多いと考えているからです。上記のような職種の人はnoteやX(旧Twitter)などのSNSを利用しているところをよく見ます。
実際に以下のように、募集記事を出している企業も多いです。
注意点としては、「未経験者ですがライターをやってみたいです」といった初心者の志望者なども含まれることも多いので、募集の目的が即戦力の採用なのであれば募集条件に必要スキルや経験を明記しておきましょう。
また、採用しやすいターゲット層は以下になります。
- 学生(大学生、高校生)
- フリーランス(業務委託)
- 子育て中の方(主婦、主夫など)
- ハンドメイドが好きで、手先が器用な方
- 在宅ワーク(テレワーク、リモートワーク)希望者
- 絵本やイラスト、漫画やアニメが好きで絵を描くのが得意な方
↓ つまり…
- 新卒採用や既卒、第二新卒あたりの若手採用がしたい
- フリーランスでスポットヘルプ要員が欲しい
- 時短、短時間シフトで働いてくれる子育て中の経験者を採用したい
- 在宅ワークは許可するのでパソコンを使いこなせる、チャットもWEB通話できる環境がある人と働きたい
- クリエイティブな人材が欲しい
と言い換えることができます。上記のような人材を求めている場合は、noteでの採用広報活動が相性が良いといえます。
2.noteを運用する目的を忘れない
「noteの更新を頑張ろう」と思うと、「なにかネタを探さなきゃ」「PVをとらなきゃ」と目の前のことでいっぱいになってしまい、当初の目的であった「採用広報」を忘れがちになりやすいです。
noteでの採用広報活動は必ず長期的な視点が必要です。短期的に即採用したい!と思って焦ってしまうのはよくありません。
3.自分事化してもらうためにタイトルは「ひらく」
固くて業務感のある表現を使わず、自分の心をそのままひらくように、心で感じたままの表現でタイトルをつけましょう。
採用広報の記事では、自社の情報を外に向けて発信することなので、まずは読んでもらう必要があります。その際にたとえば、「2022年5月月報」というようなタイトルではなく、「5月病にならないように気をつけた5つのこと」のように、月報でありながら他の人が読んでもタメになりそうなタイトルと書き方をするとよいです。
noteでの採用広報活動は、潜在層に向けてリーチしやすいのも特徴なので、「どんな人に自社で働いてもらいたいのか」を明確にしたうえで、ターゲットとなる人が興味を持ちそうだったり共感しやすかったりしそうなタイトルに「ひらいて」書くことが大切です。
こちらの記事は新人編集者さんの記事です。
その会社で働く中での感想を記事にしたもので、大きなくくりでいうと「新入社員レポート」ということになるのかもしれません。ですが「会社の中でこういうことを学んでこういうふうに思った」という書き方をすれば、転職希望者にも「こんなことが学べるのかもしれない」とイメージしやすくなります。多くの人に読んでもらいやすいタイトルとして参考になるのではないでしょうか。
失敗や課題を書くことで信頼を得る
成功例だけでなく、不安だと思いますが課題や失敗を思い切って外に発信することが大切です。過去の失敗や今現在解決しきれていない課題はきっとあるはず。そういった情報を提示することで、よりリアルな会社の雰囲気を伝えられます。特に、今抱えている課題を提示すると求職者側が「ここなら自分は活躍できる」と具体的にイメージできるようになります。
また、ネガティブな情報でも発信する=オープンでクリアな社風ということも伝えられるため、使い方によっては好印象につながるのです。(もちろん、何でもかんでも出せばいい、というわけではありません)
完璧なところだけを表に出すのではなく、課題としていることも発信して、どのように課題解決のために動いているのかを書くことで信頼感が得られます。
note公式でも課題を赤裸々にしるした記事を作成しています。
https://note.jp/n/n39681098a0d2
採用広報にnoteを活用している企業事例
採用広報活動でnoteを活用している企業事例をご紹介します。
ベーシック
「#採用広報」で検索をするとトップに上がってくる記事に、株式会社ベーシックさんの記事があります。
http://note.basicinc.jp/n/n2e5a18065908
社員が書いている記事で、このタイトルであればベーシックさんに転職したいんだ!と考えているわけでなくとも、SNSマーケティングやXに関心のある人に「なになに気になる、役に立ちそう」と思って見てもらいやすくなります。
https://note.basicinc.jp/n/n2bb1d9db436a
また、こちらの記事も、出産を機に自身のキャリアに悩む女性や将来結婚をしても働き続けたいと思っている人にとって希望となり勇気となるような記事です。「ベーシックなら私も仕事と家庭の両立ができる環境なのかも」と思ってもらいやすくなり、今すぐに仕事復帰を考えていなくとも職場候補として記憶に残りやすくなります。
ミラティブ社
2019年を振り返って「組織活性化」のためにやってよかった3つの施策と2つの失敗を文字に起こしたこちらの記事も、組織を活性化させたいと考えている広い層に対して興味関心を起こす記事になっています。ここで失敗を書いていることで、正直さと誠実さを感じさせます。
代表の赤川さんもこちらの記事を書いています。
社内のだれかひとりが書くのではなく社員も社長もみんなで書くことで、企業の中でいろいろな立場の人間から見た社内状況を描けるようになります。
株式会社リチカ
株式会社リチカ代表の、自身の紹介とどのようなことを大切にしているかを書いた記事が話題になっていました。2024年2月時点のいいね数は驚異の1,466
社長というと、このようなイメージがありませんか?
・自分とは縁もゆかりもない存在
・手の届かない存在
ただ、リチカ代表の松尾さんに非常に親近感を抱くのがこのタイトル。
自身の紹介をしながら、会社で大切にしている価値観を伝える記事になっています。
また、こちらの記事も面白い感じでありながらコロナ禍でリモートワークが増えたことによるコミュニケーション不足の解消方法も描かれていて、リチカで働く人たちの人間味と学びが垣間見えます。
地道にnoteでの発信を続けよう
採用広報は潜在的な求職者に対して発信をするものなので、すぐに結果が出るものではありません。それはnoteを活用する場合でも同じです。だからこそ、地道に記事を発信しつづけることが大切です。
「そうは言っても記事を書くのが大変・・・」
という方は、当社にてプロのライターが御社を取材して記事を作成するダシマスがオススメ
書いた記事はダシマスメディアにも掲載されますし、その記事をnoteに使っていただいてもOKです。自社での運用が難しいかも・・・と感じている方はぜひご検討ください。
採用広報はnoteやyoutubeなどによる長期的なものだけでなく、求人を通じて短期的な発信も同時に行うことで効果を最大化することができます。短期的な採用広報では、ぜひHRハッカーの活用をご検討ください。
▼長期的にnoteの運用と合わせてHRハッカーで短期的な採用広報を強化したい方はこちらからどうぞ