想いを言語化することの大切さを実感――ベストマッチな採用を実現したローヤル油機の事例

採用活動において重視する点は各社さまざまかと思います。ただ、どんな施策や取り組みであろうと、そこに想いがなければ人は魅力を感じないし、また想いがあったとしてもきちんと伝わってなければないのと同じです。業務効率化が重要視される昨今ですが、採用のような人対人のやり取りが重要な活動においては“効率化してはいけない”ものがたくさんあります。採用の肝となるのは間違いなく、経営者の想いや企業が目指すビジョンです。ここをいかにして求職者に伝えるかは、どの企業も妥協すべきではないと考えます。

今回は、福島県いわき市内に本社を持つローヤル油機株式会社の代表取締役社長、佐藤義道(さとう よしみち)さんに取材しました。佐藤さんは、インビジョンのサービスを活用していくなかで、企業理念や経営者の想いを可視化することの重要性を実感したとのこと。具体的にどのような活動をし、どのような結果が生まれたのか聞きました。

▼抱えていた課題
・採用活動をしても全然応募が集まらなかった
・「この人だ!」という人材に出会うことが少なかった

▼導入後の効果・成果
・これまでにないくらいベストマッチな採用が実現できた
・想いを可視化したことでステークホルダーにもいい影響があった

代表取締役社長 佐藤 義道(さとう よしみち)さん
18歳高校卒業までいわき市で育つ。大学4年間東京、新卒で1部上場企業に就職し大阪支店配属で4年間勤務。先代から「会社継ぐこと考えてみないか?」と相談され、いつかは独立して挑戦してみたいという気持ちがあったこともあり前職を退職して地元へ戻り会社を継ぐ前提で帰郷。父親と商工会担当者の勧めで1年後に中小企業庁が運営する後継者養成学校にて10ヶ月学び、その後大学時代からの夢だったロンドン海外留学を6ヶ月経て再帰郷し本格的に承継に向けて仕事をスタート。2019年代表取締役社長に就任。

目次

求める人材に出会えなかったのは“想い”を言語化していなかったから

――導入前に感じていた採用の課題を教えてください。

求める人材になかなか出会えなかったことですね。そもそも、応募数が少なかったです。

5年ほど前に営業職を採用するためにハローワークを活用していたことがあるのですが、何人か面接するなかで1名採用できたものの、求める人材に出会うまで苦労しました。大手が運営する就活情報サイトで中途採用にも取り組んでみましたが、それなりにコストをかけたのにも関わらず2名しか応募がなく、しかもその内の一人はなぜか九州地方の方で……。それ以来、大手の採用サービスはあまり使わなくなっていました。

――HRハッカーやダシマスを導入しようと思えたのはなぜだったのでしょうか。

福島民報さんが紹介してくれたのがきっかけです。

採用活動に力を入れたいと思ってはいたものの、大手さんのサービスはやめておきたいなと思っていた僕のところに、「採用広報の記事や採用サイトが低コストでつくれます」という話だったので、一度聞いてみようと思いました。

ただ実際に話を聞いてみて、一番心に響いたのは「求職者に自社の“想い”を伝えることが大事」ということです。たとえばハローワークに出す求人票では、定型的な情報が詰め込まれるため「具体的にどんな働き方ができるのか」や「自社の魅力や想いを伝える」ことができません。そんな情報だけで、いい会社かどうか判断しろという方が無理です。インビジョンがつくる求人原稿は、想いを伝えることを重視していたので一度試してみようと考えました。

――具体的なことは後ほど伺いますが、やってみた結果、率直にいかがでしたか。

今振り返っても「やっぱりやるべきだった」と感じています。些細なことですが「文章だけでなく写真も使える」という面だけでも、ハローワークの求人票とは全然違います。

また、採用活動のために取り組んだことですが、自社の考えを外部に発信すると「取引先や銀行などの関係者にも想いが伝えられていい」ということも実感しました。

――採用だけでなく、ステークホルダーにまで影響があったのですね。ちなみにそれはどのようにして見てもらったのでしょうか。

僕や社員のSNSなどによる発信やホームページへの掲載、さらに来社した関係者にも記事を見てもらい、「よかったらぜひ社内でも拡散してください」と言いました。今まで以上に、僕達の大切な想いがしっかりと伝わったと感じています。

妥協せずに取り組んだ採用活動の結果、相思相愛の採用に成功

――HRハッカーやダシマスを活用した結果、まさに「この人こそ!」という方の内定が今年(取材:2023年11月)決まりましたね。あれから他の募集状況はいかがでしょうか。

今のところはその方だけです。ただ応募数は間違いなく増えました。具体的に取り組んだことは大きく3つで、Indeedの有料プラン、HRハッカー、そしてダシマスです。

ただ、明らかに応募の数は増えたものの、採用につながっていないのは僕たちの選考ハードルが徐々に上がってきているからかもしれません。「こんな人と一緒に仕事がしたい」というものが言語化できたからこその、うれしい悩みではありますが。

僕たちのような中小企業は正直なところ、たとえ一名の方でもお雇いしたときの財務的なインパクトがものすごく大きいんです。しかも悩みに悩んで入社していただいた方が、環境が合わずに退職されることになっても、成長して頂くために費やした貴重な時間は返ってきません。そういったことも考えれば、しっかりと納得できる人材を採用したいというのが本音です。

そんななか、ダシマスの記事を見ていただいていたことで、まさに出会いたいと思っていた方に出会うことができました。ハードルを上げても決して妥協せずに取り組み続ければ、いつか出会えるのだとそのときに思えたんです。これからも自分がしっかり納得できる方と出会えるまで、妥協せずに取り組もうという気持ちでいます。

▼ローヤル油機、佐藤社長のダシマス記事

ローヤル油機の新たなストーリーを作る――父親の“人生そのもの”を引き継ぎ、歴史ある会社の社長になった男が描く未来とは

――長い目で見れば、その姿勢を貫いていくことがきっと大事なのだと思います。

中途採用でもし35歳の方が入社されたとしても、30年近く働く可能性があります。やはり入社していただいた以上は気持ちよく働いてほしいですし、この会社で成長を実感してほしい。そんな風にいろんなことを考えると、少なくとも入社する時点ではお互いが相思相愛の状態で入社していただけるかどうかは重要なポイントですね。

そのために企業側ができるのは、僕たちのことをきちんと伝えること。こう思えるようになったのは、ダシマスのようなサービスを使ったからですね。

高校を卒業し、東京の大学に行っている学生。世間一般的に優秀な人材だとされる人たちが、名前も売れていないような地方の企業に就職するなんてことは遠い夢のように思っていました。ですが今回、実際にそのような採用ができたわけです。銀行の担当者さんからも「いわきと関連のない東京の大学に行っている新卒の学生を採用できるなんてすごいですよ」と言われました。

中身のない情報で有料広告を使うのはもったいない。発信すべき内容を固めることが重要

――採用活動をするにあたって、他に何か力を入れて取り組んだことや意識的にしたことはありますか。

採用活動のなかで意識したことは、とにかく自分の頭のなかにあるものをきちんと言語化して発信することですね。やはりダシマスの記事をつくったことが大きなきっかけになっていて、「これからどうしたいのか」「どういう人に働いてもらいたいか」など、自分の考えを外に出すことに集中しました。

5年前の頃も、大手の就活情報サイトを利用した際に一応インタビューをしてもらって掲載してもらいました。ですが今回のダシマス記事とは比べ物にならず、ただ有料の広告枠を利用して掲載してもらっただけだったんですよね。当時、僕がまだ社長ではなかったというのが原因ですが、インタビューも形だけで自分の想いを言葉にすることができていませんでした。

そのときの経験があったので、今回はまず発信するべき土台をしっかりと固めようと考えていたんです。その甲斐もあって自社の想いや魅力をきちんと可視化できました。

お金を払えばいくらでも広告は出せるし、たくさんの人に見てもらえます。ですが求人原稿や応募要件を、ただたくさんの人に知らせるだけでは駄目なんです。きちんと発信する土台は自分でつくり、そのうえで広告枠を活用してはじめて意味がある施策になるのだと考えています。

――先程、採用以外のステークホルダーにも影響があったと話していただきましたが、それだけこだわってご自身の想いを形にしたからこそですね。

もう50年以上、ローヤル油機が代理店としてお付き合いしている潤滑油メーカーさんがいます。そのメーカーさんに勤める人たちも団塊の世代が多く、新しい人を募集していたのですが採用には苦労されていて。それでやっと若い人の入社が決まったのですが、今度はコロナ禍の影響でお客さまのところへ直接営業に行ってもらうこともできず、商品の提案の仕方など教えることにも苦労されていました。

そんなときに僕のインタビュー記事を紹介したところ、インタビューではローヤル油機がどういう想いで仕事をしているかを話しているので、若い営業の人たちが商品を提案する際のスタンスなどのヒントに繋がったようです。

それで若手の人たちに記事を共有してもらったところ、皆さんきちんと記事を読んでくれたみたいで「オイルやグリスはどう売ればいいのか」などが多少なりともわかった様子でした。なんていうか、その代理店さんの社員教育を多少なりとも手助けできたような感じだったんですね。こちらとしても、営業の皆さんにはローヤル油機のことを正しく理解してもらえたほうがいいので、ダシマス記事が思いがけない効果を生んでくれたと思っています。

また、こうした効果は仕入先だけでなく、お客さまにとっても影響が大きいと考えています。物を売る商売ですので、生産者の顔や名前が見えていることはとても大事です。お客さまは日々、色々な人と顔を合わせているので、たまにしか会わない業者の人の顔や名前を覚えてもらうのには時間がかかります。でも記事を半分でも読んでいただけると、印象に残るので覚えてもらいやすくなる。そんな効果もあるのではないかと思っています。

意志があるところに人は集まる。信念を持って商売する人に勧めたいサービス

――HRハッカーやダシマスを勧めるならどういう企業や人に勧めますか。

僕の場合は採用活動がきっかけだったけれど、採用だけでなく売上を上げたいという企業さんにもお勧めできる気がします。営業活動はまず「いろんな人に知ってもらうこと」がスタートです。ダシマスはそのいいきっかけになると思います。

売上も上げたいし、採用活動もうまくいかせたい。ほとんどの企業が考えていることだと思いますが、うまく活用すれば低コストで両方ともに効果があるのではないかと。

あとは僕のように、自分のなかに沸々とわいてくる熱い“想い”があるけれど、毎日の忙しさに流されて外に発信できていない人にもお勧めしたいですね。

売上、人、物、情報は熱意や意志があるところに集まります。ただ知られていなければ意味がないので、知ってもらう努力が必要です。求人原稿やダシマスを利用して、少しでも外に向けた発信に取り組むといいのではないでしょうか。

信念を持って商売している方はたくさんいらっしゃると思うので、そういう人に届いたらいいですね。

取材協力
ローヤル油機株式会社
代表取締役社長 佐藤 義道(さとう よしみち)さん
HP:https://www.loyal-grease.jp/
採用情報:https://loyalgrease.hr-hackerplus.com/

採用業務の工数を大幅に削減し、本当に出会いたい人を集める採用ツール『HRハッカー』や、隠れヒーローの採用広報メディア『ダシマス』を活用したいと思った方は、インビジョンや提携する新聞社さんまでお気軽にご相談ください!

この記事を書いた人

ライター兼ディレクター。2020年10月、在宅ワークをするためにフリーランスのライターとして独立。2023年1月、クライアントの重要なパートナーとして伴走するべく法人化。“社会を変えうる事業を加速させ、世の中に貢献する”を自分のミッションとする。

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