人に寄り添う水泳指導を続けるはるおかスイミングスクール。インビジョンとの協業で採用の質と量を向上

はるおかスイミングスクールは福岡県を中心に10校のスクールを運営する水泳指導の専門校です。0歳から90歳以上まで約13,000名が在籍し、「地域社会に密着したスイミングスクール活動」という創業以来の理念のもと、一人一人に寄り添う指導を続けています。

2023年11月からHRハッカーを導入し、翌年8月には自社のコンセプトを明確にしてリニューアルした採用サイトを公開。その結果、173名の応募があり、29名の採用に成功しました。注目すべきは、単なる応募数の増加だけでなく、会社の理念に共感した方々からの応募が増えたことです。

今回は同社の代表取締役社長である錦戸里加子さんにお話を伺いました。長年の課題だった採用活動がどのように変化し、どんな効果が得られたのか。スクール業界の現場における新しい採用のあり方について語っていただきます。

▼抱えていた課題
・紙媒体中心の採用で、1件あたり最大50万円の高額な広告費がかかっていた
・集団採用からインターン採用に切り替えた際の、母集団形成に困っていた

▼導入後の効果・成果
・173名の応募があり、29名の採用に成功
・企業の理念や雰囲気が伝わり、会社をよく理解した応募者が増加

代表取締役社長 錦戸 里加子(にしきど りかこ)さん
1980年、全国中学選抜水泳競技大会800M自由形で大会新記録を樹立し優勝。全国ジュニアオリンピック水泳大会3年連続上位入賞など、日本水泳界の第一人者として活躍。1984年にアメリカアラバマ州立大学に留学。帰国後はマタニティー・ベビー・幼児から高齢者までの指導に携わり、独自の「水中エアロビクス」を開発し、後進の指導とレッスンに従事。2023年より現職。

目次

「人」を大切にする、福岡に根ざしたスイミングスクール

──はるおかスイミングスクールの事業内容や特徴についてお聞かせください。

当スクールの最大の特徴は、人材育成に対する考え方です。お客様一人一人を人格を持った会員様として捉え、それを理解できる職員の育成に力を入れています。具体的には、人事考課表を基にした能力開発や目標設定、個別面談などのカリキュラムの実施などです。

新型コロナウイルスの蔓延により、25年続けてきた「フリーシステム(指定時間内であれば利用時間を自由に選べる仕組み)」から、安全面を考慮して登録制へと移行。同時に料金改定も実施し、一時的に会員数は減少しましたが、職員と綿密なコミュニケーションを重ねながら新システムを構築してきました。

この過程で職員との信頼関係が深まり、サービスの質も向上。会員様との安定した関係も築けてきました。新しいスクール開校への挑戦も、職員への信頼があってこそです。ただし、人材不足という課題は依然として残っています。

現在、全10校のスクールを運営しており、0歳児から90歳以上まで約13,000名が在籍しています。来年春には新たに岡垣校のオープンも予定しています。

紙媒体中心の採用活動から、デジタル採用へ

──HRハッカー導入前の採用課題は何だったのでしょうか。

当時は紙媒体での求人が中心で、採用管理システムやIndeedなどのWeb活用には手が回っていませんでした。求人広告費は1件あたり10万から15万円、多い時は50万円もかかり、それにもかかわらず、私たちの職種の特徴が十分に伝わらず、適切な人材確保が難しい状況でした。

特に課題が大きかったのはコーチ・スタッフの採用です。「コーチは週休2日ではない」という誤った先入観が一般的でしたが、実際には祝日に加え、夏季・冬季の長期休暇やお盆休暇もあり、休暇制度は充実しています。しかし、従来の求人媒体ではこうした実態を正確に伝えることができませんでした。

こうした悩みを西日本新聞広告社さんに相談したところ、HRハッカーを紹介していただきました。

──HRハッカー導入の決め手は何だったのでしょうか。

正直、説明を聞いても最初は全く想像がつかない状態でした。西日本新聞広告社さんやインビジョンさんから他社事例を見せていただいても、スイミングスクールという特殊な職種にどう活かせるのか、イメージが湧かなくて。

しかし、提案を受けていくうちに「目から鱗」の連続で、「面白いかもしれない」と強く感じました。また、職員たちにも「このようにアピールしていくなら、私たちも採用広報の内容に恥じないようにしなければ」という意識が芽生えると思ったんです。今回の取り組みは、社内教育にも良い影響を与えていると感じています。

また何より、特に印象的だったのは関わっていただいた方々の熱意です。私たちの会社を最大限アピールしたいという強い意欲に、こちらも負けていられないと感じました。

応募者との対話の質が向上し、29名の採用を実現

──HRハッカーの活用方法と成果について教えてください。

現在は主に求人募集で活用しています。あと、HRハッカーそのものの活用とは少し違うのですが、求人募集に記載している言語や採用サイトの「泳ぐのは5M、寄り添うのは50年。」といったキャッチコピーを有効活用しています。例えばコーポレートページに反映させたり、各スクールのInstagramでも活用したりしています。

求人原稿や採用サイトなど、求職者との接点となる部分の改善をしていったこともあって、導入後は173名の応募があり、正社員・アルバイト含め29名を採用することができました。

──導入後、応募数や採用数以外にも変化を感じることがあれば教えてください。

最も大きな変化は応募者の質です。仕事内容やはるおかの雰囲気をよく理解した上での応募が増え、特に子どもの頃に当スクールに通っていた方からの応募が約半数を占めるようになりました。

これはインビジョンさんが私たちの思いを客観的な視点で理解し、適切に言語化してくださったことが大きいと感じています。この過程で自社の伝え方や表現方法も大きく進化しました。

──ありがとうございます。かなり応募数が増えたとのことですが、対応が増えた分、現場業務が大変になってしまったのではないでしょうか。

業務効率は向上しているため問題なく対応できていると思っています。10校の各拠点で採用業務を分担し、アルバイトの面接は各スクールで、正社員の面接は私と専務で担当するという明確な役割分担ができています。HRハッカーの一括管理システムにより、スクール間の情報共有もスムーズになりました。

ワークショップを通じて見えてきた、新しい企業イメージ

──貴社は新しい採用サイトを制作するために、採用コンセプトガイドラインを作りました。その大事なワークショップの過程で、特に印象的だったことはありますか。

最初は全体像が掴めず戸惑いました。特にストーリー作りの意図が分からず「これは何のため?」という疑問を持っていましたが、「採用サイトを訪れた人にどういうイメージを持ってもらいたいのか」という説明を受けるうちに、コンセプトの意図が理解できるようになりました。

私自身、当初はシステムを完全には理解していない状態でしたが、最終的に形になった時、企業イメージの構築方法について詳しく理解できました。

──具体的に、どのような気づきや学びがあったのでしょうか。

印象的だったのは、私の経歴や考えについてのインタビューです。最初は経歴を語ることに抵抗がありましたが、それが経営理念や教育方針、会員様への共感につながっていくのだと説明を受け、理解が深まりました。

職員にもっと焦点を当ててほしいという思いから、自分が前面に出ることを控えめにしていましたが、このプロセスを通じて経営者としての自覚も新たになりました。こうした気づきは、インビジョンとのコミュニケーションを重ねる中で、徐々に芽生えていった感覚です。

「泳ぐのは5メートル、寄り添うのは50年」に込めた思い

──「泳ぐのは5メートルよりそうのは50年」というコピーに込められた意味を教えていただけますか。

「泳ぐのは5メートルでいい」というメッセージには、重要な意味が込められています。これまでインストラクターには「泳げる人でなければならない」「元選手でなければならない」というイメージが強く、現場のスタッフたちもそう感じていました。しかし、私たちはそうは考えていません。

実際の指導現場でも、お手本として見せるのは5メートルだけです。25メートル完璧に泳ごうとすると大変ですが、5メートルならできる。このメッセージを聞いて、職員たちも肩の力が抜けて笑顔になります。

インストラクターや先生は、「完璧でなければならない」というプレッシャーから解放されることが大切だと考えています。インビジョンさんには「人が大事」という私たちの価値観を様々な形で表現していただきました。

「50年」の部分には二つの意味があります。一つはスイミングスクールとしての50年の歴史、もう一つは50年という長きにわたって勤められる企業でありたいという私たちの思いです。

当社の創立者である前会長が創業時より「人の面倒見がいい人がいいコーチ」と言っています。泳ぎの上手さだけでなく、人としての温かさを大切にする、というのが私たちの理念です。それがしっかりと反映されていると感じています。

取材協力
はるおかスイミングスクール(株式会社はるおか)
代表取締役社長 錦戸 里加子(にしきど りかこ)さん

HP:https://www.haruoka.co.jp/
採用情報:https://www.haruoka.co.jp/recruit/

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